ドッグフード(犬の餌)とは？種類・選び方・おすすめまで徹底解説！

「犬の餌」とは？

犬の餌

「犬の餌」は、犬が食べるすべての食事を指します。
✅ ドッグフード（市販のペットフード）
✅ 手作り食（自宅で調理した食事）
✅ 生肉や野菜などの自然食
✅ 残り物（与えるのは推奨されないが、昔は一般的）
つまり、「犬の餌」は広い意味で、犬が口にするもの全般を指す言葉です。

ドッグフード

「ドッグフード」は、犬のために栄養バランスを考慮して作られた加工食品のことを指します。
✅ 市販されている総合栄養食や一般食
✅ ドライフード、ウェットフード、セミモイストフードなど
✅ 療法食（特定の病気や体調管理のためのフード）

ドッグフードは基本的に犬の健康を考え、必要な栄養素をバランスよく含むように作られています。

犬の餌とドッグフードの違い

	犬の餌	ドッグフード
意味	犬が食べるすべての食事	市販されている犬専用の加工食品
範囲	ドッグフード＋手作り食＋自然食	市販のフードのみ
栄養バランス	不安定な場合もある	栄養バランスが考えられている

結論

ドッグフード（犬の餌）は4種類

ドッグフードは目的別に以下の4種類に分類されます。それぞれの特徴を理解し、愛犬に適したフードを選ぶことが大切です。

1. 総合栄養食（毎日の主食用）

特徴

・犬が健康を維持するために必要な栄養素をバランスよく含むフード
・これだけを与えれば、犬に必要な栄養を満たせるように設計されている
・ドライフード、ウェットフードの両方に総合栄養食がある
・AAFCO（米国飼料検査官協会）やFEDIAF（欧州ペットフード工業会）の基準を満たしているものが多い

適した用途

・毎日の食事の主食として与える
・健康な犬の基本的な食事

2. 間食（おやつ用）

特徴

・おやつやご褒美として与えるためのフード
・総合栄養食ではなく、栄養バランスは考慮されていない場合が多い
・クッキー、ジャーキー、ガム、フリーズドライ食品など種類が豊富
・噛むことで歯石予防が期待できるものや、トレーニング時のご褒美に適したものもある

適した用途

・トレーニング時のご褒美として使用
・コミュニケーションの一環として与える
・歯の健康をサポートするデンタルガムなど

注意点

・与えすぎると栄養バランスが崩れたり、肥満の原因になる
・あくまで補助的な役割であり、主食の代わりにはならない

3. 療法食（病状に合わせて与える療養用）

特徴

・特定の病気や健康状態に対応するために作られたドッグフード
・腎臓病、肝臓病、アレルギー、肥満、糖尿病、消化器疾患などの犬向けに設計されている
・獣医師の指導のもとで与えることが推奨される
・一般的な総合栄養食とは異なり、特定の栄養素を調整している

適した用途

・病気の治療や健康管理のために食事療法を行う場合
・アレルギー体質の犬やシニア犬の特別なケアが必要な場合

注意点

・獣医師の指示なしに勝手に変更しない
・健康な犬には適さないことがある

4. その他目的食（くいつきをよくする、特定の栄養の調整など）

特徴

・総合栄養食にトッピングすることで、食欲を刺激するためのフード
・特定の栄養素（DHA、EPA、コラーゲン、プロバイオティクスなど）を補う目的のフード
・ウェットフード、ふりかけ、サプリメントタイプのものが多い

適した用途

・食が細い犬や偏食の犬に食いつきを良くするために使用
・特定の栄養素を補う目的で使用（シニア犬の関節サポート、皮膚・被毛ケアなど）
・手作り食やドライフードの補助として活用

注意点

・これだけでは栄養バランスを満たせないため、主食と組み合わせて使う
・使いすぎると、主食の食べムラが起こる可能性がある

ドッグフードの目的別4種類まとめ

種類	目的	使い方
総合栄養食	毎日の主食として必要な栄養を満たす	主食としてそのまま与える
間食	おやつやトレーニングのご褒美	適量を与え、主食の代わりにしない
療法食	病気や健康状態に合わせた特別な食事	獣医師の指導のもとで与える
その他目的食	食欲増進や特定の栄養補給	主食の補助として適量を加える

愛犬の健康維持には、目的に応じた適切なドッグフードを選び、バランスよく与えることが重要です。
特に間食やその他目的食は与えすぎに注意し、主食である「総合栄養食」を基本にするのが理想的です。

ドッグフード以外の犬の餌

ドッグフード以外にも、犬が食べられる食事はさまざまあります。主に以下のような種類があります。

種類	特徴	メリット	デメリット
手作り食	飼い主が食材を選び調理する	無添加・アレルギー対応が可能	栄養バランス管理が難しい
生食（BARF）	生肉・骨・内臓・野菜をそのまま与える	自然な食事で栄養豊富	細菌リスクや保存管理の難しさ
残り物（人間の食事）	人間の食事の残りを与える	手軽に与えられる	塩分・脂肪分が多く健康に悪影響
犬用サプリメント・トッピング	食事の栄養補助や食いつき向上のために使用	特定の栄養素を補給できる	過剰摂取に注意が必要
特別食（低アレルゲンフードなど）	アレルギーや消化不良の犬向け	食物アレルギーの犬でも安心	一般的なフードより高価

ドッグフードの定義

ドッグフードとは、犬が健康を維持するために栄養バランスを考慮して作られた専用の加工食品です。
ペットフード安全法に基づき、安全性や品質が管理され、市販されているものがほとんどです。

▶ ドッグフードの主な特徴:

犬専用に開発された食品（人間の食事とは異なる栄養バランス）
総合栄養食、間食、療法食、その他目的食の4種類に分類される
長期保存が可能なように加工されている（ドライ・ウェット・セミモイストなど）
AAFCO（米国飼料検査官協会）やFEDIAF（欧州ペットフード工業会）の基準を満たすものが多い

総合栄養食と一般食の違い

総合栄養食とは？

総合栄養食は、特定の基準を満たし、それだけで犬に必要な栄養素をバランスよく供給できるフードのことです。

特徴

・主食として与えられる
・水と一緒に与えるだけで、犬の健康を維持できる栄養バランスが整っている
・「AAFCO（米国飼料検査官協会）」などの栄養基準を満たしていることが多い

代表的な種類

・ドライフード（例：粒状のドッグフード）
・ウェットフード（例：缶詰タイプのドッグフード）

一般食とは？

一般食は、特定の栄養基準を満たしておらず、それ単体では犬に必要な栄養をすべて供給できないフードのことです。

特徴

・おやつやトッピングとして使用する
・主食としては不向きで、総合栄養食と組み合わせて与える必要がある
・「一般食」や「間食」と表示されていることが多い

代表的な種類

・トッピング用ウェットフード（例：お肉や魚のほぐし身）
・おやつ（例：ジャーキー、クッキー、ガムなど）
・どちらを選ぶべき？
・基本的には総合栄養食を主食として与え、必要に応じて一般食を補助的に活用するのが理想的です。例えば、食欲が落ちたときに一般食をトッピングしたり、ご褒美としておやつを与えるなど、バランスよく使い分けましょう。

ドッグフードの歴史

犬の食事は時代とともに大きく変化してきました。昔は残飯や手作り食が主流でしたが、現代では栄養バランスの取れたドッグフードが主流となっています。ここでは、ドッグフードの歴史を詳しく見ていきます。

1. 古代～中世：犬は残飯や生肉を食べていた

古代エジプトやギリシャ・ローマ時代

人間と共に暮らしていた犬は、残飯や生肉を与えられていた。
貴族が飼う犬には、パン・肉・牛乳などを与えることもあった。

中世ヨーロッパ（5世紀～15世紀）

貴族の飼い犬は、パン・スープ・骨などを食べていた。
一方、農村で飼われていた犬は狩猟の獲物の残りや家畜のくず肉を食べていた。
まだ「犬専用の食事」という概念はなかった。

2. 19世紀：世界初のドッグフード誕生

1860年：世界初の商業用ドッグフードが誕生

イギリスの実業家**ジェームズ・スプラット（James Spratt）**が、最初のドッグフード「Spratt’s Patent Meat Fibrine Dog Cakes」を開発。
これは、小麦・ビートルート・牛肉・野菜を混ぜたビスケット型のフードで、世界で初めての市販ドッグフードだった。

19世紀後半～：ドッグフードの普及

このドッグフードは船乗りが犬のために持ち込んだビスケットから着想を得たもの。
その後、イギリスやアメリカで販売され、商業用ドッグフードの概念が広まる。

3. 20世紀前半：缶詰ドッグフードの登場

1922年：「Ken-L Ration」が世界初の缶詰ドッグフードとしてアメリカで販売

主成分は馬肉で、当時は安価な食材として利用された。
ドライフードよりも嗜好性が高く、アメリカで急速に普及。
1930年代には、缶詰ドッグフードがアメリカのドッグフード市場の90%を占めるようになる。

第二次世界大戦中（1940年代）

戦時中、金属の供給不足により缶詰の生産が制限される。
代わりに、ドライフードの開発が進むことになる。

4. 20世紀後半：ドライフード（ペレット）の発展

1956年：エクストルージョン製法の開発

アメリカで「エクストルージョン（押出成形）」技術が開発され、ドライフード（ペレット状フード）が大量生産可能に。
この製法により、栄養価が高く保存しやすい総合栄養食のドライフードが普及。
これが現在の「カリカリタイプのドッグフード」の原型となる。

1960～70年代：総合栄養食の概念が確立

米国飼料検査官協会（AAFCO）がペットフードの栄養基準を定める。
「総合栄養食」としてのドッグフードが広まり、手作り食からの移行が進む。

1970～80年代：プレミアムフードの登場

ヒルズ、アイムス、ロイヤルカナンなどのメーカーが「高品質な栄養バランスフード」を開発。
健康維持を目的としたフードが登場し、犬種やライフステージ別のフードが増える。

5. 21世紀～現在：高品質・多様化の時代へ

2000年代：自然派・オーガニックドッグフードが人気に

人間と同じように、犬にも無添加・グルテンフリー・オーガニックの需要が高まる。
穀物不使用（グレインフリー）や高タンパクフードが登場。

2010年代：療法食・機能性フードの発展

アレルギー対応・ダイエット用・関節ケア・消化器サポートなど、特定の健康目的に合わせたフードが増加。
生食（BARF）や手作りフードの人気が再燃し、一部の飼い主がより自然な食事を選ぶように。

2020年代～：新技術の活用

昆虫タンパク・培養肉を使ったフードの研究・開発が進む。
AIを活用したパーソナライズドドッグフードが登場し、犬ごとに最適な栄養を提案するサービスも。
環境に配慮した「エコフード」の開発が注目されている。

ドッグフードの選び方

ドッグフードは、犬の健康を左右する重要な要素です。愛犬に最適なフードを選ぶためには、ライフステージや体型、原材料などをしっかり確認することが大切です。

ライフステージ別の選び方（子犬・成犬・老犬）

犬の成長段階に応じて、必要な栄養バランスが異なります。それぞれのライフステージに適したドッグフードを選びましょう。

子犬（パピー）

・高タンパク・高カロリーのフードが必要（成長に必要な栄養を補うため）
・DHAやEPAを含むフードは脳の発達をサポート
・粒の大きさが小さいものを選ぶと食べやすい

成犬（アダルト）

・活動量に応じて、バランスの取れた栄養を摂取できるフードを選ぶ
・運動量の多い犬は高タンパクのフード、室内犬は低カロリーのフードが適切

老犬（シニア）

・低脂肪・高タンパクで消化しやすいものが望ましい
・**関節ケア成分（グルコサミン・コンドロイチン）**が含まれていると◎
・噛む力が弱まるため、やわらかめのフードやお湯でふやかせるものがよい

犬種や体型による適正なフードの選び方

犬の体格や犬種によって、最適なドッグフードも変わります。

小型犬向け

・エネルギー消費が早いため、高カロリーなフードが必要
・粒が小さく、食べやすいサイズのものを選ぶ

中型犬向け

・活動量に合わせたフードを選び、体重管理にも気を配る
・関節ケア成分が含まれるフードが望ましい

大型犬向け

・関節への負担が大きいため、カルシウム・グルコサミン・コンドロイチンが含まれるフードが適切
・早食いを防ぐため、大きめの粒のフードを選ぶ

無添加・グレインフリーの必要性について

最近、無添加やグレインフリー（穀物不使用）のドッグフードが注目されていますが、本当に必要なのでしょうか？

無添加フードのメリット

・合成保存料や着色料が不使用のため、アレルギーや消化不良のリスクを軽減
・天然由来の原料を使用していることが多く、健康維持に適している

グレインフリー（穀物不使用）の必要性

・穀物アレルギーのある犬には有効（小麦・トウモロコシ・大豆など）
・ただし、必ずしもすべての犬に適しているわけではない（健康な犬には穀物もエネルギー源になる）
・グレインフリーの代わりに、イモ類や豆類を炭水化物源として使用するフードが多い

原材料と成分表の見方

ドッグフードのパッケージには、原材料や成分表が記載されています。正しくチェックすることで、愛犬に適したフードを選ぶことができます。

チェックすべきポイント

1.原材料の最初に「肉類」が記載されているか
・「チキン」「サーモン」など具体的な動物性タンパク質が明記されているものが良質
・「〇〇ミール」や「肉類副産物」と書かれている場合は、品質が不明確なことが多い

2.栄養成分表示（保証成分）
・タンパク質：20～30％（犬種・年齢により適正値は異なる）
・脂肪：10～15％（シニア犬は低めのものを選ぶ）
・繊維質：4％以下（多すぎると消化不良を起こす可能性）
・灰分（ミネラル類）：10％以下（高すぎると内臓に負担）

3.人工添加物の有無
・BHA、BHT、エトキシキンなどの合成保存料が含まれていないか

危険な添加物・避けるべき成分

犬の健康を害する可能性のある添加物や成分には注意が必要です。

避けるべき添加物

・BHA・BHT・エトキシキン（酸化防止剤）
・発がん性が指摘されている
・合成着色料（赤色〇号・青色〇号など）
・犬は色の違いを認識しにくいため、不要な添加物

注意すべき成分

・〇〇ミール・副産物
・不明確な動物性原料が含まれている可能性がある
・グルテン・大豆（アレルギーを起こす可能性）
・過剰な塩分・糖分（犬の健康に悪影響）

犬の餌として残飯をあげてもいい？

犬になじみがない方からすると、「犬の餌＝残飯」*というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、犬に残飯を与えることは基本的に推奨されません。
その理由を詳しく解説していきます。

1. 人間の食事は犬にとって塩分・脂肪が多すぎる

人間の食事は、犬にとって過剰な塩分や脂肪を含んでいることが多いです。

・塩分の過剰摂取 → 高血圧や腎臓病のリスク
・脂肪分の多い食事 → 肥満や膵炎を引き起こす可能性
犬は人間よりも塩分を必要としないため、人間の食べ物を与え続けると健康を害する恐れがあります。

2. 玉ねぎやチョコレートなど、有害な食材が含まれる可能性

人間の食事には、犬にとって中毒を引き起こす危険な食材が含まれている場合があります。
以下のような食材は特に注意が必要です。

・玉ねぎ・ネギ類（赤血球を破壊し貧血を引き起こす）
・チョコレート（中枢神経に影響を及ぼし、最悪の場合命に関わる）
・ぶどう・レーズン（腎不全の原因になる可能性）
・香辛料や調味料（胃腸に負担をかけ、消化不良や中毒の原因に）

残飯にはこうした危険な食材が混ざっている可能性があるため、何が入っているか分からない料理の残りを与えるのは避けたほうがよいでしょう。

3. 栄養バランスが偏る

犬が健康を維持するためには、適切な栄養バランスが取れた食事が必要です。
しかし、残飯ではそのバランスを整えるのが難しく、栄養不足や過剰摂取が発生する可能性があります。

例えば、タンパク質・ビタミン・ミネラルが不足しがちになり、長期的に与えると健康問題につながることがあります。

4. 消化に悪い食材が含まれている可能性

犬の消化器官は人間とは異なるため、消化しづらい食材が多くあります。
特に、以下のような食材は消化不良を引き起こす可能性があります。

・揚げ物や脂っこい料理（膵臓に負担をかける）
・乳製品（チーズ・牛乳など）（犬は乳糖不耐症のことが多く、下痢を引き起こす）
・硬い食材（骨付き肉など）（消化不良や喉詰まりのリスク）

犬に残飯を与えるのは避けるべき

人間の食事は犬にとって塩分・脂肪が多すぎるだけでなく、有害な食材が含まれるリスクがあるため、安全とは言えません。

愛犬の健康を考えるなら、栄養バランスの取れたドッグフードを与えるのが最適です。
また、どうしても手作り食を与えたい場合は、犬専用のレシピを参考にし、安全な食材を使って調理するようにしましょう。

まとめ｜愛犬の健康を守るための正しいドッグフード選び

犬の健康を維持するためには、適切なドッグフードを選ぶことがとても重要です。

✔ 犬の餌には総合栄養食・一般食・おやつがあり、毎日の食事には総合栄養食が最適。
✔ ライフステージ（子犬・成犬・老犬）や犬種・体型に合わせたフードを選ぶことで、健康をサポートできる。
✔ 無添加・グレインフリーの必要性や、原材料・成分表をチェックすることで、安全なフードを見極めることが大切。
✔ 人間の食べ物（残飯）は犬にとって危険な成分を含むことがあるため、与えるのは避けるべき。

愛犬の健康を第一に考え、栄養バランスの整った良質なドッグフードを選ぶことが、長生きにつながります。
適切なフードを選び、毎日の食事で愛犬の健康を守りましょう！